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犬がハアハアしている・呼吸が荒い、早いとき

犬はハアハアと口で呼吸する(パンティング)ことで体温を下げるため、運動や遊びのあと、暑い日に息が荒くなり、涼しい場所で休むと落ち着くなら多くは心配いりません。安静時や夜に始まる、はっきりした理由がないのに続く、落ち着きがないといった場合は、痛み、ストレス、暑さ、病気が隠れていることがあり、高齢犬や短頭種(鼻の短い犬)は特に注意が必要です。苦しそうに呼吸している、歯ぐきが青い・紫・白っぽい、急にゼーゼー・ガーガーと音がし始めた、倒れた、お腹が張ってえずいている、暑い場所にいたあと激しくハアハアしているといった場合はすぐに動物病院へ行ってください。

一般的な健康情報であり、診察の代わりにはなりません。心配なときは動物病院に相談してください。

どのくらい急ぐべき?

上から順に見て、最初に当てはまる行が目安です。

すぐに動物病院へ

  • 苦しそうに呼吸している。呼吸のたびに胸やお腹が大きく動く、横になれない、座ったままでいる、首を伸ばして脚を広げて立っている
  • 歯ぐきや舌が青い、紫色、または白っぽい
  • 力んだ苦しそうな呼吸をしている、ゼーゼー・ガーガーという音やかすれた呼吸音が急に出始めた、または興奮・ストレス・運動・暑さのあとに呼吸が急に悪くなった
  • 倒れた、ひどくぐったりしている、ぼんやりして様子がおかしい、けいれんを起こした、または虫に刺されたあとなどに顔が急に腫れた・じんましんが出た
  • 暑い場所や車の中にいたあと、または暑い日に運動したあとに激しくハアハアしている。特によだれが多い、歯ぐきが真っ赤、吐く、下痢、ふらふらしている
  • お腹が張っていて、吐こうとしてもほとんど・まったく何も出ない
  • 安静にしているのにハアハアしていて、うろうろ歩き回る、落ち着かない、横になってはすぐ起き上がるのを繰り返す、鳴く、楽な姿勢がとれない
  • 涼しい部屋で休んでいるのに速い呼吸や荒い呼吸が続き、落ち着かない(たとえば1分間に40回以上)
  • チョコレートなど中毒のおそれがあるものを食べたかもしれない、または高いところから落ちた・事故にあった・車にぶつかった。今は元気そうでも同じ

24時間以内に受診

  • 寝ているときの呼吸数を数えると、1分間に35回を超えることが多い、または3日続けて20〜30%以上増えている。ほかは楽そうにしている
  • 高齢犬や大型犬で、数週間〜数か月かけてハアハアが増え、呼吸音がだんだん大きく・かすれてきた、鳴き声が変わった、散歩や暑い日にすぐ疲れる、咳き込む・えずく
  • 何週間も前より多くハアハアしていて、水をよく飲み、おしっこが増えた、食欲が増した、お腹がぽっこり出てきた、毛が薄くなった(中高齢の犬に多い)
  • パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグなどの短頭種が、寝ているときに数秒間呼吸が止まっているように見える、または寝ているときの呼吸音がとても大きく不規則なことが多い

家で様子を見る

  • パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグなどの短頭種が、いびきや鼻を鳴らす音が大きい、すぐ疲れる、少し暖かいだけでも激しくハアハアする。涼しく過ごさせ、通常の診察を予約して気道を診てもらう
  • 花火や雷などこわいことがあるとハアハアしたり、うろうろしたり、震えたりするが、終わると落ち着く。安心できる場所を用意し、次の機会の前に動物病院に相談する
  • 運動や遊びのあと、暑い日にハアハアするが、涼しい場所で休むと落ち着き、歯ぐきの色も元気もいつも通り

どの行に当てはまるか迷ったら

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考えられる主な原因

原因よく見られる様子受診の目安
運動や暑さのあとの体温調節運動中・運動後や暑い日にハアハアし、涼しい場所で休むと落ち着く様子見
恐怖・ストレス・不安花火や雷のときなどに、震え、うろうろ歩き、よだれ、隠れるといった様子と一緒にハアハアする様子見
痛み安静時にもハアハアする、落ち着かない、横になったり起き上がったりを繰り返す、顔がこわばる・しかめ顔になるすぐ受診
短頭種の気道の問題(短頭種気道症候群)いびき、鼻を鳴らす音、呼吸音が大きい、すぐ疲れる、暑さに弱い。パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグなど24時間以内
喉頭麻痺かすれた呼吸音、ハアハアが増える、鳴き声が変わる、暑さや運動に弱くなる。ラブラドールなど高齢の大型犬に多い24時間以内
ホルモンの病気(クッシング症候群)ハアハアと一緒に、水をよく飲む・おしっこが増える、食欲が増す、お腹がぽっこりする、毛が抜ける。中高齢の犬に多い24時間以内
心臓や肺の病気安静時や寝ているときの呼吸が速い、咳、苦しそうな呼吸、横になりにくいすぐ受診
熱中症暑さや運動のあとに激しくハアハアする、よだれ、歯ぐきが赤い、吐く・下痢。その後ぐったりする、様子がおかしい、倒れるすぐ受診
胃拡張・胃捻転お腹が張る、吐こうとしても何も出ない、落ち着きがない、よだれ。胸の深い大型犬に多いすぐ受診
中毒チョコレートなど中毒を起こすものを食べたあとに、落ち着きがない、呼吸が速い、吐く、震えるすぐ受診

家でできること

  • 涼しく日陰で風通しのよい場所に移し、扇風機やエアコンを使って休ませます。新鮮な水を少しずつ与え、無理に飲ませないでください。
  • 熱中症のおそれがあるときは、すぐに体を冷やし始めます。冷たすぎない水(氷水ではない)を頭、お腹、わきの下、足にかけ、扇風機やエアコンで風を当て続けてください。動物病院に電話し、移動中も車のエアコンの前に置くなどして冷やし続けます。
  • 呼吸数は、犬が寝ているときか、過ごしやすい部屋で落ち着いて休んでいるときに数えます。15秒間の呼吸の回数(吸って吐いて1回)を数えて4倍にします。落ち着いている日に何回か数えて、その子のふだんの回数を知っておきましょう。
  • 花火や雷でハアハアする場合は、慣れた場所に、ふかふかの寝床や毛布のある安心できるスペースを用意し、できれば家で一緒に過ごしてください。
  • 暑い日の散歩は早朝か夕方にし、運動は短めにして、水を持ち歩き、日陰を確保します。短頭種、太り気味の犬、高齢犬、被毛の厚い犬は特に注意してください。

やってはいけないこと

  • 氷、氷水、アルコールで冷やしたり、濡れタオルで体を覆ったりしないでください。かえって熱が逃げにくくなることがあります。
  • 無理に水を飲ませないでください。
  • 獣医師の指示がない限り、人の薬(痛み止めを含む)を与えないでください。
  • 熱中症が疑われるときは、元気を取り戻したように見えても受診してください。臓器へのダメージはすぐには表に出ないことがあります。
  • 車の中に犬を残さないでください。暑い日や蒸し暑い日の激しい運動も避けてください。イギリスの大規模な研究では、きっかけがわかっている熱中症のおよそ4件に3件が運動のあとに起きており、車の中はおよそ20件に1件でした。
  • 呼吸音が大きい犬は、首輪でのどを圧迫しないよう、散歩にはハーネスを使ってください。

動物病院で伝えること

  • いつからハアハアしているか、そのとき何をしていたか(休んでいた、寝ていた、運動していた、暑い場所にいた)、どのくらい続いているか
  • 安静時や寝ているときの呼吸数と、わかればふだんの呼吸数
  • 歯ぐきや舌の色、呼吸の音、倒れたかどうか
  • ほかの変化:飲む水の量、おしっこ、食欲、お腹の大きさ、毛並み、咳、鳴き声、元気
  • 食べた可能性のあるもの、落下や事故、最近暑い場所にいたかどうか

よくある質問

犬がハアハアするのはなぜですか?

ハアハアは犬が体温を下げるための方法です。散歩や遊びのあと、暑い日にたくさんハアハアするのはふつうのことで、涼しい場所で休むと落ち着いてきます。花火や雷などの恐怖やストレスでもハアハアします。安静時の激しいハアハアがなかなか治まらない、またはハアハアに落ち着きのなさ、苦しそうな呼吸や呼吸音、白っぽい・青い歯ぐきが重なる場合は、痛みや熱中症、病気が隠れていることがあるため、すぐに動物病院へ行ってください。

犬が夜にハアハアして寝ないのはなぜですか?

まず部屋が暑すぎないか確認してください。休んでいるときのハアハアに、うろうろ歩く、落ち着かない、横になってはすぐ起き上がるのを繰り返す様子が重なる場合は、痛みのサインのことがあります。何週間も前よりハアハアが多く、水をよく飲む・おしっこが増える、食欲が増す、お腹がぽっこりするといった変化は、中高齢の犬に多いホルモンの病気、クッシング症候群で見られます。寝ているときの呼吸が速いのは心臓病と関係することもあるため、寝ているときの呼吸数を数えておくと診察に役立ちます。苦しそうに呼吸しているなら、すぐ動物病院へ行ってください。

犬が理由もなく呼吸が荒いのは大丈夫ですか?

暑さや運動が思い当たらないときは、ほかの手がかりを探しましょう。痛み、恐怖、ホルモンの病気、気道の問題、心臓や肺の病気は、どれも安静時のハアハアの原因になります。安静時のハアハアに、落ち着きのなさ、苦しそうな呼吸や呼吸音、白っぽい・青い歯ぐきが重なる場合はすぐに動物病院へ。ほかは楽そうなら、寝ているときの呼吸数を数え、1分間に35回を超えることが続くなら動物病院に連絡してください。

犬の呼吸が早いかどうか、安静時の呼吸数の目安は?

獣医療の資料では、安静時はおよそ1分間に15〜30回、寝ているときは30〜35回未満がふつうとされています。過ごしやすい部屋で寝ているときに、15秒間の呼吸の回数を数えて4倍にします。寝ているときの呼吸数が35回を超えることが続く、または3日続けて20〜30%増えている場合は動物病院に連絡しましょう。安静時に1分間40回を超える速い呼吸が続く、または苦しそうな呼吸をしている場合は、すぐに受診してください。

犬が激しくハアハアするのは熱中症のサインですか?

その可能性があります。暑さや運動のあとの激しいハアハア、よだれ、赤い歯ぐき、嘔吐や下痢は初期のサインで、ぐったりする、様子がおかしい、倒れる、けいれんするのは悪化しているサインです。すぐに冷たすぎない水(氷水ではない)と風で冷やし始め、冷やし続けながら動物病院へ向かってください。きっかけがわかっている熱中症879件を調べたイギリスの研究では、652件が運動のあと、46件が車の中で起きており、短頭種は主な3つのタイプ(運動のあと、暑い環境、車内)のいずれでもリスクが高くなっていました。

関連する症状

参考資料

  1. When to Go to the ER, Cornell Richard P. Riney Canine Health Center
  2. Recognizing Respiratory Distress in Pets, American Animal Hospital Association (AAHA)
  3. At-Home Monitoring of Pets with Heart Disease, University of Missouri Veterinary Health Center
  4. Heat Stroke in Dogs, VCA Animal Hospitals
  5. Heatstroke: A Medical Emergency, Cornell Richard P. Riney Canine Health Center
  6. Heatstroke in Dogs and Cats (Fact File), Royal Veterinary College, University of London
  7. Dogs Don’t Die Just in Hot Cars: Exertional Heat-Related Illness (Heatstroke) Is a Greater Threat to UK Dogs, Animals (Basel), 2020
  8. BOAS: Recognition and Diagnosis, University of Cambridge Department of Veterinary Medicine
  9. Laryngeal Paralysis, Cornell Richard P. Riney Canine Health Center
  10. How Do I Know if My Dog Is in Pain?, VCA Animal Hospitals
  11. Disorders of the Pituitary Gland in Dogs (Pet Owner Version), Merck Veterinary Manual
  12. Introduction to Lung and Airway Disorders of Dogs (Pet Owner Version), Merck Veterinary Manual
  13. Gastric Dilation and Volvulus in Small Animals, Merck Veterinary Manual
  14. Chocolate Toxicosis in Animals, Merck Veterinary Manual
  15. Fear of Fireworks and Thunderstorms, Cornell Richard P. Riney Canine Health Center
  16. Don’t Give Over-the-Counter Medications to Your Pet, University of Illinois College of Veterinary Medicine

最終確認日 2026年10月25日