猫が吐く・嘔吐するとき
猫が吐く原因は、毛玉や食べてはいけないものから、食物不耐性、寄生虫、腎臓病や甲状腺機能亢進症などの長く続く病気まで、さまざまです。1回吐いただけで、ほかはいつも通り食べて飲んで過ごしているなら家で様子を見られることが多い一方、毛玉も含めてよく吐く状態は「猫だから普通」とは言えず、一度動物病院で診てもらう価値があります。何度も吐く、血が混じる、吐こうとしても何も出ない、食べない、ぐったりしている、トイレで力んでいるのにおしっこが出ない、ひもを飲み込んだりユリをかじったりしたかもしれない場合は、すぐに動物病院へ行ってください。
一般的な健康情報であり、診察の代わりにはなりません。心配なときは動物病院に相談してください。
どのくらい急ぐべき?
上から順に見て、最初に当てはまる行が目安です。
すぐに動物病院へ
- 吐こうとする動作を何度も繰り返すのに、何も出てこない
- 吐いたものに血が混じっている、または黒い点やコーヒーかすのような黒っぽいものが混じっている
- ひも、糸、リボン、ヘアゴム、モールなどを飲み込んだかもしれない、または口からひもが出ている。今は元気そうでも同じ
- ユリ(花・葉・茎などどの部分でも)やほかの有毒な植物をかじった・食べたかもしれない、または不凍液、洗剤、人の薬などを口にしたかもしれない。今は元気そうでも同じ
- ぐったりしている、元気がない、隠れて出てこない、熱がある、歯ぐきが白っぽい、お腹を触ると痛がる
- 数時間のうちに何度も吐く、食べ物も水も吐いてしまう、または24時間以上吐き続けている
- トイレで何度も力む、出たり入ったりするのに、おしっこがほとんど・まったく出ない。特にオス猫
- 下痢もしている、脱水しているように見える、または食欲が落ちている・ごはんを食べなくなった
- 子猫や高齢の猫、または腎臓病や心臓病など持病のある猫が吐いている
- 水を飲む量がいつもより多い、またはおしっこの量が目立って多い・少ない
24時間以内に受診
- 今日2回以上吐いているが、元気があり、いつも通り食べて、水を飲んでも吐かない
- 元気そうに見えても、週に1回より多く吐く、毛玉を月に1回より多く吐く、または体重が減っている
家で様子を見る
- 1回吐いた、または毛玉を1回吐いただけで、ほかは食欲・飲水・トイレ・様子がいつも通り
- 1回吐いたあとは、翌日まで様子を見る。また吐いた、または上のどれかのサインが出たら動物病院に電話する
どの行に当てはまるか迷ったら
症状を入力すると、1分ほどで無料の緊急度チェックができます。
症状をチェックする考えられる主な原因
| 原因 | よく見られる様子 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 毛玉 | 細長いソーセージのような形の毛のかたまりで、消化液でぬれていることが多い。長毛の猫や換毛期に多い | 様子見 |
| 食べてはいけないものを食べた | 草、人の食べ物、傷んだ食べ物を食べたあとに吐く。1日ほどで落ち着くことが多い。観葉植物や切り花には有毒なものが多いので、かじった場合は動物病院に電話する | 様子見 |
| 食物不耐性・食物アレルギー | 吐くことを繰り返す。下痢、皮膚のかゆみ、いつもより多い毛玉を伴うこともある | 24時間以内 |
| 腸内寄生虫・感染症 | 吐く。下痢を伴うこともある | 24時間以内 |
| 長く続く病気(腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病、肝臓の病気、炎症性腸疾患など) | 何週間も吐いたり止まったりを繰り返す、体重が減る、食欲が変わる。吐いていて水をよく飲む・おしっこが多い場合はすぐに動物病院へ | 24時間以内 |
| ひもや異物の誤飲 | 何度も吐く、食べない、元気がない、うんちが少ない、隠れる・痛がる。舌の下や口からひもが見えることもある | すぐ受診 |
| 中毒を起こす植物や物質(ユリ、不凍液、洗剤、人の薬) | 吐く、下痢、ぐったりする、食べない。ユリはほんの少しかじっただけでも腎不全を起こすことがある | すぐ受診 |
| 尿道の閉塞(おしっこが出ない) | トイレで力むのにおしっこがほとんど出ない、鳴く、落ち着かない。オス猫に多い | すぐ受診 |
家でできること
- 新鮮な水はいつでも飲めるようにしておきます。1回吐いたあと、ほかは元気な場合は、いつもの食事のリズムを続けながら注意して様子を見てください。
- 動物病院で消化のよい食事を勧められた場合は、ほかのものは与えずに少量ずつ回数を分けて与え、数日かけていつものフードに戻します。
- 毛玉が原因と思われる場合は、抜け毛を取るためにブラッシングやコーミングをこまめに(できれば毎日)行ってください。長毛の猫や換毛期は特に大切です。
- 吐いた時間、回数、吐いたものをメモし、吐物の写真を撮っておきましょう。短い動画があると、吐いているのか咳をしているのかを獣医師が見分けやすくなります。
やってはいけないこと
- 獣医師の指示がない限り、水を取り上げないでください。
- 獣医師の指示がない限り、人の薬、便をやわらかくする薬、毛玉ケア用品を与えないでください。人の薬の多くは猫にとって有毒です。
- 口からひもが出ていても引っぱらないでください。無理に吐かせることもしないでください。すぐに動物病院に電話してください。
- 長いあいだごはんを抜いたり、食べなくなったのに様子を見続けたりしないでください。数日食べないだけで重い肝臓の病気につながることがあり、太りぎみの猫では特に注意が必要です。
動物病院で伝えること
- いつから吐いているか、どのくらいの頻度か、食後どのくらいで吐くか
- 吐いたもの:フード、毛、液体や泡、血や黒い点。お腹に力を入れて吐いたのか、力まずに出てきたのか(写真や動画を見せる)
- 食べたりかじったりした可能性のあるもの:ひも、ヘアゴム、おもちゃ、ユリなどの植物、洗剤、薬(あればラベルや現物を持参する)
- ほかの様子:食欲、元気、飲水量、おしっこやトイレの様子、うんち、体重の変化
- ふだんのフードと食事の時間、最近フードを変えたか、毛玉を吐く頻度、かゆがる・ノミ・毛づくろいのしすぎがないか
よくある質問
猫が吐く原因は何ですか?
よくある原因は、毛玉、食べてはいけないものを食べた、食物不耐性、腸内寄生虫などです。腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病といった病気が原因のこともあり、ひもの誤飲やユリなどの中毒のように急を要する場合もあります。たまに1回吐くだけなら珍しいことではなく、問題ないことも多いです。吐いたこと自体より、どのくらいの頻度か、ほかにサインがあるかのほうが大切です。
猫が毎日のように吐くけれど元気はあります。普通ですか?
毛玉であっても、よく吐くのは普通とは言えません。コーネル大学ネコ健康センターは、週に1回より多く吐く猫は早めに動物病院で診てもらうよう勧めています。毛玉の回数は情報源によって目安が異なり、コーネル大学は1〜2週間に1回ほど毛玉を吐くのは珍しくないとしていますが、VCAは毛玉を月に1回より多く吐く場合は動物病院に相談するよう勧めています。このページでは慎重なほうの目安をとっています。2013年に猫の獣医学専門誌(Journal of Feline Medicine and Surgery)に載った総説では、短毛の猫の多くで、毛玉をよく吐くのは皮膚のかゆみ、ノミ、食物不耐性など、背景にある問題のサインだと論じられています。食欲があって遊んでいても、一度受診を予約しましょう。
猫が消化されていないフードを吐くのはなぜですか?
フードが出てくるパターンは2つあります。嘔吐では、猫がお腹を波打たせて力を入れて吐きます。吐き戻し(吐出)では、力まずにすっと出てきて、食べたり飲んだりした直後のことが多く、ふつう消化されておらず、食道の形に似た筒状のこともあります。どちらも繰り返すなら受診がすすめられ、動画があると獣医師が見分けやすくなります。
猫が吐いたものの色や見た目で何がわかりますか?
吐いたものは、液体、泡、フード、毛などさまざまです。黄色や緑がかった液体は、たいてい胆汁です。毛玉はふつう細長い毛のかたまりで、胆汁などの消化液でぬれています。赤い血、または黒い点やコーヒーかすのような黒っぽいものが混じっていたら、すぐに動物病院へ行ってください。色だけでは原因はわかりません。吐く頻度と猫の様子のほうが大切です。
猫が吐いたとき、家で何をあげればいいですか?
獣医師の指示がない限り、人の薬、民間療法、便をやわらかくする薬、毛玉ケア用品は与えないでください。水はいつでも飲めるようにしておきます。1回吐いただけでほかは元気なら、いつもの食事のリズムを続けて注意して様子を見ます。猫は数日食べないと重い肝臓の病気になることがあるので、長くごはんを抜かないでください。獣医師が短時間ごはんを控えるよう指示することもありますが、自己判断では行わないでください。吐き続ける、または食べなくなった場合は動物病院に電話してください。
関連する症状
参考資料
- Vomiting in Cats (Pet Owner Version), Merck Veterinary Manual
- Disorders of the Stomach and Intestines in Cats (Pet Owner Version), Merck Veterinary Manual
- Vomiting in Cats, VCA Animal Hospitals
- Vomiting, Cornell Feline Health Center
- The Danger of Hairballs, Cornell Feline Health Center
- Common Cat Hazards, Cornell Feline Health Center
- Feline Lower Urinary Tract Disease, Cornell Feline Health Center
- Lily, ASPCA Animal Poison Control
- Vomiting in cats, PDSA (UK veterinary charity)
- Bowel obstruction (intestinal blockage) in cats, PDSA (UK veterinary charity)
- Hair balls in cats: a normal nuisance or a sign that something is wrong?, Journal of Feline Medicine and Surgery, 2013
- Hepatic Lipidosis: A Serious Problem When Cats Stop Eating, University of Illinois College of Veterinary Medicine
最終確認日 2026年10月25日